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第80回青森国体 県民への周知を進めよ(5月28日)

 2025年の第80回国民体育大会(国体)は、青森県での開催が内々定した。8年先といえば長いように感じられ、急速に社会の形が変わっていく昨今、その時の世の中がどうなっているか予想もできない。だが、スポーツ自体が持つさまざまな価値はプロ、アマを問わず変わっていないだろう。

 終戦の翌年に誕生した国体は青森県で80歳を迎える。開催県に恥じない成績はともかく、接遇、経済効果、経費の合理性とあらゆる面で傘寿(さんじゅ)の祝いにふさわしいスポーツの祭典にしたい。関係する官民、競技団体の知恵と工夫が問われるところだ。

 県内で初めて秋の国体が開かれたのは、今から40年前の1977年。「あすなろ国体」と銘打ち、「心ゆたかに力たくましく」をスローガンに各地で競技が繰り広げられた。続く全国障害者スポーツ大会と共に、トップ級の選手らの力強さと繊細な技が大勢の県民を魅了した。

 一方、近年の国体を巡っては、大会の肥大化や、開催都道府県が総合優勝しなければならないというしきたり≠ェ批判されがちだ。大会規模が大きくなれば競技施設の整備や改修などで経費は膨らむ。さらに総合優勝を目指せば、一定の期間、選手と指導者の育成に力を入れ、他県で活躍する県出身の選手にも協力を仰がなければならない。

 また、地方は社会基盤整備が進み、国体開催をてこにした道路や施設などインフラへの投資は時代にそぐわない。

 第80回青森国体では、37の正式競技と7の公開競技、硬式・軟式高校野球が予定され、今のところ会場地として19市町村(29競技)が固まっている。既に基準に合った施設が使われていたり、改修や仮設で対応したりする見通しである。

 ただ、具体的な開催経費については、県、市町村とも明らかになっていない。競技地の自治体が経費を全額負担するという取り決めも周知が足りないようで、25日に開かれた県と市長会との会議では、地元負担を初めて耳にし、異論を唱える首長も複数あった。宿泊や購買といった経済効果と、開催経費の比較を急ぎたい。

 県準備委員会は、昨年8月にまとめた開催基本方針で「スポーツによる感動や交流の輪を広げる」「本県のあらゆる魅力を発信」などと目的を定め、簡素・効率化といった方向性も盛り込んだ。誘客の観点で見ると好機に違いない。今後、県民への周知を進め、催しを含めて、全国を驚かせるような試みが生まれることに期待したい。

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