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通常国会召集 問われる野党の存在感(1月20日)

 通常国会が20日、召集される。

 天皇陛下の退位を実現する法整備が最大の焦点。ほかにも一般会計の歳出規模が約97兆4千億円に上る2017年度政府予算案や、「共謀罪」の構成要件を厳格化した「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案、残業規制に重点を置く「働き方改革」関連法案など重要法案がめじろ押しだ。憲法改正を巡る各党の動きも注目される。

 会期は6月18日までの150日間。今夏には公明党が重視する東京都議選を控え、秋以降は衆院解散、総選挙がいつあってもおかしくない緊迫した政治状況が続く。会期末に向けて与野党の対決色は強まりそうだ。

 安倍晋三首相は衆参両院で圧倒的多数を占める与党勢力を背景に、強気の姿勢で国会に臨むとみられ、民進、共産、自由、社民の野党4党は厳しい対応を迫られよう。だが政府、与党を政治理念と政策の両面から脅かす対抗勢力が不在では、緊張感が消えて政治の停滞、政権の慢心を招くのは避けられない。

 いま問われるのは野党の存在感だ。野党4党はこのことを自覚し、国会での共闘態勢を強化して次期衆院選での選挙協力につなげるよう、最大限努力すべきだ。

 天皇退位問題で、政府は今の天皇に限り退位を可能とする特例法案を軸に検討している。

 政府案を支持する与党に対し、野党側は皇室典範改正を主張、違いが表面化しているが、この問題で対立を避けることでは双方とも一致している。

 天皇の地位について「国民の総意に基づく」とする憲法の規定を尊重し、静かな環境で多くの国民が納得できる結論を導き出してほしい。

 組織犯罪処罰法改正案を巡り、政府は対象犯罪を676とした当初の方針を転換、テロの手段となり得る犯罪を中心に200〜300程度まで絞る方向だという。「対象が広過ぎる」とした公明党の懸念に配慮した形だが、対象犯罪の削減だけでは不十分だ。捜査機関による拡大解釈の可能性など、問題点を洗い出す必要がある。

 昨年秋の臨時国会で衆参両院の憲法審査会が議論を再開した憲法改正問題は、今年5月に憲法施行70年の節目を迎えるとあって、安倍首相が年頭から改正論議進展に意欲を示す。自民党は改憲項目の絞り込みを急ぐ方針だが、拙速は避けるべきだ。

 数多くの法案、政治課題に対応する中で、その教訓を次期衆院選に向けた共通政策作りにどう反映させるかも、野党の課題といえよう。

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