時評
デーリー東北

時評

後半国会の焦点 森友など疑惑解明が責務(3月29日)

 2017年度予算が成立した。「自民1強」の政治状況の中、前年度に続く年度内成立となったが、後半国会は波乱含みだ。

 政府・与党は6月18日の会期末までに天皇陛下の退位を巡る特例法案や、与野党対決法案となった組織犯罪処罰法改正案などを成立させる方針。

 これに対し、民進党など野党側は学校法人「森友学園」への国有地の格安払い下げ疑惑の解明に向けて攻勢を一層強める姿勢だ。さらに、組織犯罪処罰法改正案や南スーダン国連平和維持活動(PKO)部隊の「日報」隠しについても、答弁の混乱が目立った金田勝年法相と稲田朋美防衛相の責任を追及していく構えを崩していない。

 森友学園問題では、国有地払い下げの経緯や安倍昭恵首相夫人の言動などについて、学園の理事長退任を表明している籠池泰典氏の国会での証言と、安倍晋三首相ら政府側の説明が百八十度食い違っている。

 野党側は首相夫人担当の政府職員が国有地買い取り前の借地契約を巡り、財務省に照会した事実が明らかになったことをとりわけ重視。夫人による「関与」だと主張して、夫人の証人喚問を要求しているが、与党側は拒否している。

 だが、このままの状態で幕引きを図ろうとしても国民の納得は到底得られないだろう。共同通信の最新の世論調査では、払い下げの経緯について82・5%が、政府が十分に「説明しているとは思わない」と答え、首相夫人に「国会で説明を求めるべきだ」との回答は過半数の52・0%に達した。

 払い下げに政治の関与は本当になかったか。首相夫人に関する籠池氏の証言は、首相が主張するように事実無根なのか。国民が納得するまで解明することが与野党に課せられた責務だ。

 PKOの日報隠しも政治に対する信頼に直結する問題だ。不都合な事実は隠蔽(いんぺい)しようというのが自衛隊の体質なのか。まずは特別防衛監察による調査結果の公表が必要だ。

 共謀罪の構成要件を変えた組織犯罪処罰法改正案について政府は、テロ対策に必要だと主張するが、法律の専門家の間では異論も多い。合法的な市民活動への監視強化につながり、思想・表現の自由が侵されるとの懸念が払拭(ふっしょく)されたとは言えず、さらなる議論が必要だろう。

 与党が衆参両院で圧倒的な多数を占める中で、安倍政権による強引な政治運営も目立つ。行政府の暴走をチェックするのは与党を含めた立法府の役割だ。濃密な国会となることを望む。

過去1週間の時評

chouchou
  •  「デーリー東北」の販売店で組織するデーリー東北販売店会が、地域に密着したニュースや行催事などを紹介します。
  •  47NEWSは47都道府県52新聞社のニュースと共同通信ニュースを束ねた総合サイトです。
  •  全国の1,300を超えるショップと47都道府県の地方新聞社が一緒になって活動をしています。青森の“おすすめ”はこちらから。
  •  広告ビジネスに携わる方々に「新聞」と「新聞広告」の特性をご理解いただくことを目的として運営しています。
  •  社会人も、学生も、親子も、もっと新聞のつかいかたを知ると強い味方になります!「新聞のある暮らし」を楽しんでください。
  •  自分に合った読み方を診断してみよう。きっと新聞の読み方が変わるハズ?

  •  日本で唯一の「ナショナル・プレス・クラブ」です。人々の「知る権利」に資するジャーナリズム活動の拠点です。