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学童保育の基準緩和 地方は責任の再認識を(12月11日)

 共働きや一人親家庭の小学生を放課後に預かる「放課後児童クラブ(学童保育)」について厚生労働省は、1カ所に2人以上の配置を義務付けている児童支援員を、1人でも認めるなどと基準を緩和する方針を決めた。国は年内の閣議決定を経て、来年の通常国会に関連法改正案を提出する見通しだ。

 これまで未就学児の保育を巡っては、定員が満杯だったり、施設が不足していたりなどで認可保育所に入れないケースが社会問題となった。保育所に通う子どもが小学生になっても安心して放課後を過ごせなければ、子を持つ親は就労が難しく、変化が著しい労働環境へも対応しにくくなろう。

 厚労省は2015年、学童保育の支援員を1教室に2人以上配置するなど全国一律の「従うべき基準」を設けた。支援員にも「学童保育に類似する事業で2年以上勤務」「都道府県の研修を受ける」といった要件を求めた。現在、市町村がそれぞれ条例に盛り込んで、民間などへの委託を含め放課後児童クラブを運営している。

 こうした設置基準の緩和は国の地方分権改革の一環で、全国知事会が要望していたものだ。実現すれば学童保育の分野でも自治体の裁量が広がる。そしてハードルが下がった分だけ、子どもの安全・安心の確保はもちろん、「保育の質」の維持、向上について地方の責任が増すことになる。保護者や学校、地域住民も緩和の動きを注意深く見守らなければならない。

 青森県内では15年以降、学童保育への登録児童数が年々増えてきた。全国学童保育連絡協議会の調査によると、本年度は5月1日現在で33市町村が学校の余裕教室、児童館・児童センター、公的施設などに350カ所の放課後児童クラブを設置。通った児童は合わせて1万4千人余に上っている。

 県内の待機児童は109人とされる。ただ、施設への距離が遠い、職場からの帰宅が遅いなどの事情から登録を諦めた保護者も少なくない。潜在的な需要はさらにあるだろう。

 基準緩和について現役の支援員からは、配置が1人になり責任が重くなることに不安の声も聞かれる。子どもの健康状態に目が届きにくい、学校から距離が遠いなどの問題も容易に想定され、保育の質の低下や地域格差が広がるなどの懸念は拭えない。

 市町村が新設や運営形態を見直すに当たっては、保護者が安心して預けられる体制と十分な説明が必要だ。

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