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自民党総裁選 信頼回復を最優先に(9月21日)

 自民党総裁選で安倍晋三首相が連続3選された。6年前の再登板以来の政権奪還と経済の回復、首脳外交の展開や国政選挙連勝などの実績を評価する党内の声が反映された結果だろう。

 敗れた石破茂元幹事長は党員・党友による地方票の45%の支持を集め、議員票でも基礎票を大きく上回る善戦を見せた。地方に「安倍1強」への不満と批判が根強いことの表れと、首相は深刻に受け止めるべきだ。党内融和が重要な課題に浮上したと言える。

 まず首相には、政治と行政への信頼回復に最優先で取り組むよう求めたい。森友、加計学園問題では首相と昭恵夫人との関わりで「行政がゆがめられた」との疑念を国民に抱かせた。

 首相はまだ説明責任を果たしていない。財務省の決裁文書改ざん問題では公文書管理の方法を改めて再発防止を図ると繰り返すが、それで十分だろうか。一連の政権不祥事で、政治家が進退によって責任を明らかにする場面はなかった。国民の信頼を取り戻すには首相のリーダーシップ発揮が欠かせない。10月上旬の内閣改造に注目したい。

 最終段階に入る安倍政権には、残された重要な課題が山積している。

 アベノミクスによるデフレからの脱却と金融緩和政策の正常化をどう実現していくのか。少子高齢化への対応では、消費税率10%への引き上げを中心とした負担と給付の在り方についての考え方を明確に国民に説明し理解を得ながら、社会保障制度改革を実行していく責任がある。

 外交では、米中貿易摩擦の激化により深刻化が予想される米国との通商問題をどう乗り切るのか。日中、日韓関係は改善の方向に進みつつあるものの、北朝鮮の核・ミサイル・拉致問題やロシアとの領土・平和条約交渉には進展が見られない。

 首相は憲法9条改正を在任中に実現したいと熱望している。だが国民世論や与党・公明党の動向を見れば、改憲が急ぐべきテーマとは考えられない。首相は国民が期待する内政・外交政策に地道に取り組むべきだ。

 首相にとって今後の最大の難敵は、長期政権に対する「飽き」だろう。「ポスト安倍」を巡る政権争奪への動きも活発化する。

 首相が求心力を維持していくには、国民の厳しい視線を謙虚に受け止め、風通しの良い政策決定過程を構築していくことが不可欠だ。「おごり」と「緩み」が目立つ政権運営を続ければ、来年の参院選で有権者から手痛いしっぺ返しを受けるだろう。

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