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トヨタ、ソフトバンク連携 新インフラの構築目指す(10月16日)

 トヨタ自動車とソフトバンクが、自動運転や配車サービスを見据えた新会社を設立し、新しい車インフラの構築を目指して提携関係を結んだ。

 車の生産台数で世界トップクラスのトヨタと、人工知能(AI)を軸にして配車サービスなど移動サービスのプラットフォームづくりを急ぐソフトバンクという異業種が垣根を越えて手を結ぶのは、過去に例がない。

 ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長は「今回の提携は第1弾で、より深い提携になることを願っている」と述べ、この「強者連合」が自動運転が中心となる将来の車社会の大変革を見定めていることを示した。

 声を掛けたのはトヨタ側で、豊田章男トヨタ社長は「配車サービスなど新しいことをしようと海外企業に接触すると、全ての会社の筆頭株主がソフトバンクになっていて驚いた」という。そこで、ソフトバンクを敵に回すよりは提携関係を築いた方が得策だという経営判断を下したようだ。

 ソフトバンクという会社はずぬけた技術を持っているわけではないが、孫氏は兆円単位のファンドを使い、将来芽が出そうな世界中の企業に先行投資をしてきた。携帯電話、半導体、太陽光発電など多くの分野に及び、最近はAIを核にした移動サービスを最も重視している。これで、居ながらにして世界中の移動サービスに関する膨大なデータの入手が可能になる。

 このビッグデータを活用すればAIを飛躍的に進化させることができる。AIはあらゆる状況のデータを学習しているため、故障や事故の少ない車サービスが可能になり、他社がまねのできない競争力のあるサービスを提供できるわけだ。

 トヨタの車の生産台数がいくら多くても、これはソフトバンクでないとできない。しかも自動車販売台数が世界トップとなった中国最大の配車サービス企業の筆頭株主にもなっているため、13億人のビッグデータをフルに活用できる。

 この提携は、AIデジタル時代を先取りした関係に発展する可能性がある。それだけに、いったん提携関係ができると、深まることはあっても薄まることはないようにも思える。

 米検索大手のグーグルは、年内にも運転手のいない「無人タクシー」による配車サービスを米国で始めると発表しており、日本勢はAIや自動運転技術の実用化では劣勢が伝えられている。この「強者連合」を突破口に、新しい車インフラづくりで世界をリードしてもらいたい。

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