時評
デーリー東北

時評

日米首脳会談 真価問われる安倍外交(4月21日)

 安倍晋三首相が訪米し、2日間にわたりトランプ大統領と会談した。両首脳は北朝鮮の核・弾道ミサイル開発を放棄させるための緊密な連携を確認。首相は大統領が日本側の要請に応え、6月上旬にも開催予定の米朝首脳会談で日本人拉致問題を提起すると約束したことを「高く評価する」と成果を強調した。

 一方、通商問題では「自由で公正な貿易」のための閣僚レベルの日米協議を開始することで合意したが、両国の基本的立場は大きく食い違っている。それぞれが厳しい国内事情を抱え、今後の交渉で歩み寄りは困難な状況だ。

 今回の首相訪米は、南北首脳会談に続き、米朝首脳会談が開催される見通しになるなど、北朝鮮情勢が大きく動きだす中、日本側の働き掛けで実現した。この時期に日米両国が同盟国として北朝鮮対応で結束を再確認した意義は小さくない。

 米朝首脳会談に向け、次期米国務長官に指名されているポンペオ中央情報局(CIA)長官がトランプ大統領の特使として極秘裏に訪朝、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長と会談していたことが明らかになった。大統領は金委員長との会談に自信を示しているが、日本にとって不安がないわけではない。

 国内で苦しい状況に追い込まれた為政者は往々にして外交で成果を上げようと躍起になる。トランプ大統領はロシア疑惑や女性問題に悩まされている。金委員長との会談で功を焦って安易な妥協に応じるようなことがあってはならない。

 北朝鮮は核・ミサイル開発を巡り、過去に何度も日米などとの合意事項を破ってきた。同じ繰り返しはもはや許されない。核・ミサイル放棄に向けた、検証可能で具体的な行動なしに北朝鮮に見返りを与えてはならない。その点をトランプ大統領は肝に銘じておくべきだ。

 安倍首相が執念を燃やし続ける拉致問題の早期解決へ、大統領も「最大限の努力」をすることを強調した。米国の協力も必要だが、日朝の直接交渉なしに大きく進展することは望めない。米国頼みの現状を抜け出し、北朝鮮との直接対話、ひいては日朝首脳会談をどう実現していくか、日本の構想力が求められる。

 安倍首相がトランプ大統領と親密な関係を築いたのは間違いない。両首脳の信頼関係をてこに日米同盟を強化し、日本の安全保障を担保するというのが首相の狙いだ。北朝鮮の核・ミサイル開発という最大の不安定要因を取り除くことができるのか。安倍外交の真価が問われる。

過去1週間の時評

PR

  •  47NEWSは47都道府県52新聞社のニュースと共同通信ニュースを束ねた総合サイトです。
  •  全国の1,300を超えるショップと47都道府県の地方新聞社が一緒になって活動をしています。青森の“おすすめ”はこちらから。
  •  家族や友だちといっしょに記事を読み、感想・意見などを書いて記事とともに応募するこのコンクールは、「思考力・判断力・表現力」を重視する学習指導要領の理念も念頭に置いた企画です。。
  •  共同通信PRワイヤーは共同通信グループのプレスリリース配信サービスです。

  •  広告ビジネスに携わる方々に「新聞」と「新聞広告」の特性をご理解いただくことを目的として運営しています。
  •  自分に合った読み方を診断してみよう。きっと新聞の読み方が変わるハズ?

  •  日本で唯一の「ナショナル・プレス・クラブ」です。人々の「知る権利」に資するジャーナリズム活動の拠点です。