きょうの天鐘
| ●天鐘(2009/04/25掲載) | |
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新聞やテレビが毎日伝えるニュースは膨大な数に上る。扱いの大小を問わず、程なく忘れてしまうものもあれば、長く記憶に残るものもある。受け止める人によっても異なる▼タレント清水由貴子さんの自殺は日を追って切なさが募るニュースだ。介護の問題が背景に横たわる。本人や身内、あるいは知り合いが同じ状況に置かれている人は多いから、とても人ごとではない▼清水さんは三年前に芸能活動を休止し、妹とともに母親の介護を続けた。母親は要介護度が最も重い「要介護5」。介護支援サービスやデイサービスを利用しながらの在宅介護で、周囲には清水さんが「笑顔の絶えない親孝行な女性」と映っていたそうだ▼亡くなったと思われる日は入浴介助の予約を入れていた。父親の眠る墓地へタクシーで往復する予定だったが、現地に着いて急きょ帰りをキャンセルしたという。介護の疲れから、突然、将来を悲観したのだろうか▼高齢化が進み、介護は今や社会問題。介護保険制度が導入されたものの、まだ施設や人材の整備が十分でないとの指摘もある。実効性のある制度の構築が急務だ。介護される側と同時に、介護する家族のケアにも手当てが必要だ▼自己責任論が幅を利かせていたころ、国は医療や介護の充実を目的にさまざまな制度改革を進めた。「国民のため」と言いながら、そこに当事者である生身の人間が見えていなかったら、血の通った政治とはいえない。
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