
第30回
| 「引用」きちんと 八戸市立江陽中校長 伊藤 博章 | |
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読み応えのある感想文が多く、中学生の感性の豊かさを改めて実感しました。とかく事件や非行など暗い話題の多い思春期の子どもたちですが、応募された感想文の行間には、自分をみつめ、自分の生き方に思いをはせる姿が垣間見え、心洗われる思いがします。 さて、審査のなかで強く感じたことを一つだけ述べます。それは「引用の仕方」についてです。「引用」とは、「自分の説や論を有利に説明するために、他人の説や事例を持ってきて使うこと」(新明解国語辞典)です。作品の本文や解説などを感想文中に引用することは問題ないのですが、引用するにあたっては、守らなければならないルール、きまりがあります。「」などの引用符や○○と解説にあるが、のように自分の説(考えや意見)と引用とをきちんと区別して書くということです。これは何も感想文だけにかぎったことではなく、学校で書くレポートや小論文などでも同じです。公に発表する文章の場合は特に気をつけなければなりません。今回、数編の感想文の中に不適切な引用があり、選外とせざるを得ませんでした。発想も文章力も優れた感想文であっただけに誠に残念でした。 昨今、学校でも家庭でもインターネットの普及により気軽に他人の著作や文章を読む機会が増えました。利便性が増すとともに、正しい引用の仕方を知っておくことはますます重要になってきています。適切な引用の仕方については、学校現場での指導の必要性を痛感しました。これからも学校や家庭で、子どもたちの豊かな精神を育む読書の輪がさらに広がってほしいと願っています。 |