盛岡支局発
| 借金に負けるな!(4)低所得で「負の循環」 |
| (2008/04/23) |
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多重債務が大きな社会問題となっている今も、一般には「借金は自己責任」との意識が強い。しかし、盛岡市消費生活センターの吉田直美主査は「多重債務に苦しむ人は社会構造の中で生み出された被害者」と、これを真っ向から否定する。 同センターに赴任して七年になる吉田主査は「相談の八割は生活苦による借金」と実態を語る。確かに、借り手側の責任が皆無とはいえないものの、事態が深刻化した要因は、低所得や貧困の問題が大きい。 「キーワードは二百万円」と吉田主査は言う。岩手県の最低賃金は時給六百十九円、青森県は六百十八円。夫婦共働きだと二人で年収計二百万円余りだ。低所得世帯は常に余裕のない生活を強いられている。 そこに子供の進学や交通事故、火災など突発的な出費が必要になると、「安易なセーフティーネット」(吉田主査)の借金に頼る。いつしか返済と借金を繰り返す「負の循環」に陥る構図が浮かび上がってくる。 日本では今、「持てる者」と、その他大勢の「持たざる者」の格差が拡大。多くの市民は所得が伸びず、一方で税金や保険料など家計の負担は増すばかりだ。物価高も不安材料。企業には雇用を守る余力がなく、誰が突然、職を失っても不思議ではない。 「自己責任論は"勝ち組"の論理。しかし、そういう人でも明日には会社を首になり、多重債務に苦しむ可能性がある」と吉田主査は警鐘を鳴らす。 |