ターミナル北へ 近づく新幹線全線開業 

第2部 検証・八戸開業の7年間
(3)発信力 せんべい汁一躍全国区
(2010/03/09)
 東北新幹線八戸開業から1年が過ぎようとしていた2003年11月12日。郷土料理でまちおこしをしようと、八戸市民有志によるユニークな団体が産声を上げた。
 その名も「八戸せんべい汁研究所」。彼らの取り組みは、それまで八戸地域にしか知られていなかったせんべい汁の知名度を、一気に“全国区”へと押し上げることになる。
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 同研究所は発足後、青森県内各地でせんべい汁の試食会を開いたり、応援ソングをCD化するなどしてPR活動に努めてきた。その結果、津軽、下北両地域でも次第にせんべい汁の存在が浸透した。
 だが、それだけでは満足しなかった。「よりスピーディーに、せんべい汁を全国に紹介したい」。同研究所のこんな思いは、今や全国的なイベントとなったB級ご当地グルメの祭典「B―1グランプリ」の企画、開催へとつながっていく。
 地方のグルメを情報発信している全国の団体を巻き込み、06年2月、第1回大会を八戸市で開催。好評を博すと、第2回大会以降は参加団体も増え、20万人規模を集める大型イベントに成長した。B―1の全国的な人気で、せんべい汁は多数のメディアに露出するようになった。
 「私たちは地域に思いを寄せる市民が集まった団体で、広告を出す経費もなかった。だから、マスコミに取り上げられる話題作りを第一に心掛けた」と木村聡事務局長。同研究所の熱意と情報発信力は、八戸の認知度アップに大きく貢献した。
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 八戸駅に隣接するユートリー1階の特産品即売場には、約1800種類の土産品が並ぶ。
 開業前は、締めさばやイカの塩辛などの水産加工品が大きな面積を占めていたが、開業後は新たに開発されたせんべい関連商品が売り上げをけん引。開業後3年間の販売額は「開業前の2倍以上」(大矢忠道振興管理課長補佐)に膨れあがったという。
 中でも、2000年に発売された八戸市物産協会の「南部せんべい手焼きセット」は08年、国土交通省の「魅力ある日本のおみやげコンテスト」で最高賞の金賞を受賞。作り方を知らない観光客でも手軽に使えるようにと、改良を重ねた結果の受賞だった。
 同協会の田村暢英常務理事は「地域特有の食文化を、何としても土産品として掘り起こしたかった」と当時を振り返る。これらの郷土色豊かな土産品の開発も、開業後の八戸のPRに一役買った。