2011年度予算をみる

青森県(上) 核燃マネー 制度改正で交付金拡充
(2011/02/24)
 青森県内に交付される電源立地地域対策交付金額が2011年度、大幅に増える。六ケ所村に立地する核燃料サイクル施設の評価を高める形で、電源三法交付金制度が見直されたことが大きな要因だ。県や市町村は交付金拡充を歓迎するが、同時に、県内自治体が核燃・原発マネー≠ノ依存する状況が一層、鮮明になったとも言える。
 これまではサイクル施設を発電施設に見立てた「みなし出力」により交付金が算出されていた。県は「サイクル政策で重要な施設にも関わらず、評価が極めて低い」と、国へ制度改正を求めてきた。
 県実施事業(基金充当分を除く)で見ると、11年度の交付金額は過去最高の39億2309万円となり、10年度の24億4722万円から約14億7千万円増加。市町村事業は118億9805万円で、10年度の85億6349万円から約33億3千万円アップした。
 東京電力東通原発などの新規施設着工分も含め、県と市町村分を合わせた増加額は約48億円となる。
 新制度の大きなポイントは、施設最大能力の8割に相当する交付金額を最低保障し続ける点だ。施設が稼働する限り、今後、11年度と同程度の交付金を手にできることになる。
 このほか、今予算案には計上しなかったが、六ケ所村で昨年10月に着工したプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料加工工場と、海外から返還される低レベル放射性廃棄物を受け入れる貯蔵施設に関し、県には計58億円が入ることになっている。
 さらに同廃棄物受け入れに伴う特別交付金30億円も今後、県と同村に配分される。
 交付金対象外の八戸市、青森市、弘前市などの県内25市町村に対しては、電気事業連合会が特別支援を決めており、11年度以降も多額の核燃マネーが県内に流入する見込みだ。
 県は11年度中に、核燃料物質等取扱税(核燃税)の見直しを行う。MOX燃料加工工場や使用済み核燃料中間貯蔵施設も課税対象として検討するとみられ、核燃税収入も増える可能性が高い。
 反核燃団体は、依存体質を生むとして、核燃マネーを「麻薬」と表現する。
 核燃マネー頼りが顕著になりつつある県内自治体財政の実態に、反核派の奈良岡克也県議(社民・県民ク)は「安全に対する不安を金で抑えようという意図が見える。交付金を充てる事業が多く、県全体が核燃マネーで覆い尽くされている。増額になっても喜べるものではない」と批判を強める。