記者リポート
| 重い通学用リュック |
| (2008/05/24) |
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中学生のトレードマークともいえる通学用リュック。だが、四人のうち三人の生徒がこのリュックを「重い」と感じていることが、八戸大学の講師と市民団体の調査で明らかになった。「体が痛い」「不審者から逃げられない」との深刻な訴えを、学校側はどう受け止めているのだろうか。 青森県南地方の大半の中学校は、予習・復習の習慣付けと盗難を防ぐため、教材の持ち帰りを指導。実技四教科の道具や辞書は学校に置かせ、ある程度軽減を図っている。ただ、国語や数学などの五教科は教科書、問題集、資料集と複数の教材があり、常に持ち帰らなければならない。 「重いリュック」への生徒の声は切実。特に気になるのは、体調不良を訴える女子生徒が多いことだ。 塚原整形外科医院(八戸市)の塚原孝院長は「中学生は成長途上。個人差があり、体力がない生徒は肩こりや腰痛が心配される」と指摘。八戸市教委の調査でリュックの重さは平均七・四キロという数字が出たが、「重くても五キロ程度が望ましい」との見解を示す。 不審者から逃げ切れない―との不安も付きまとう。市教委は対策として「リュックを置いて逃げるよう指導を」と各校長に呼び掛けている。ただ、瞬時に行動に移せるか疑問は残る。 生徒、学校側とも共通の問題意識を持ちながら、なぜ改善できないのか。 ある学校関係者は「現在のゆとり教育では、授業だけで学習内容を定着させることは難しく、家庭学習の比重が重くなってきている」とその背景を語る。 教材をめぐる環境変化を挙げる声もある。八戸市立小中野中の漆舘秀武校長は「パソコンの普及とともに教材のサイズがB5判からA4判に大型化した。資料活用能力を高めるため、参考書が必要な授業も増えている」と説明する。 一部の学校では、対策に乗り出している。五戸町立五戸中などでは、一日に五教科がそろわないよう時間割の組み立てを工夫した。だが、生徒や保護者から、さらに負担の軽減を求める相談があるという。 調査に当たった八戸市の市民団体「中学生の通学用リュックの影響を考える会」の田代秋子代表は「荷物が軽減でき、盗難も防げる」と、鍵付きロッカーの導入を訴える。 実際に個人用の鍵付きロッカーを備える南部町立名川中を訪ねた。二〇〇五年に開校した同校は、生徒全員にナンバーロック式ロッカーを割り当てた。リュックと辞書などを置くスペースに分かれているが、他校と同じく勉強道具を置いての帰宅は禁止。さらに、無施錠の状態にするよう指導している。「不要物の持ち込みを防ぐため」だという。 保管場所の確保は軽減策の一つとなりそうだが、単純に設備を整えるだけでは解決できない複雑な事情も浮かび上がる。 とはいえ、安心して勉強に集中できる環境づくりは大人の役割だ。まずは生徒の声に耳を傾け、学校と保護者が一体となり有効な改善策を導き出してほしい。 (田村祐子) |