種差海岸「謎のポール」 正体はマイルポスト(2008/10/24)
1949年発刊の海図から判明したマイルポストの位置(上)と種差海岸に立つポール(図中のA)。地元住民の調査で正体はマイルポストと判明した=八戸市鮫町(下)
 八戸市鮫町の種差海岸にたたずむ古ぼけた一本のポール。長年にわたり謎だったその正体を突き止めようと、地元住民らが調べた結果、船の速度性能を計測するために使われた「マイルポスト」であることが二十三日までに分かった。かつては全部で五本あり、もう一本が現存していることも判明。ポールは老朽化が著しく、調査に携わった人々からは「何とか保存する方法はないか」との声が上がっている。
 謎解きのきっかけとなったポール(図中のA)は、葦毛崎展望台の北側に位置し、海岸沿いの切り立った岩場にそびえる。鉄筋コンクリート製で、高さは五メートルほど。地元には「旧海軍のアンテナに使われた」「コンパスを修正するための標識では」など、さまざまな説があった。
 ポールに興味を持った八戸ペンクラブの堀徳郎会長(75)は正体を調べようと、一年ほど前から調査を開始。付近住民の証言から、鮫角灯台裏の林の中で二本目のポール(同B)を確認した。
 堀会長の動きを知った鮫観光協会の岩見善四郎会長(73)も、東北区水産研究所八戸支所などの協力を得て調査を進め、JR鮫駅南側の丘に沿い、過去に三本のポールがあった―との証言を得た。
 その後、第二管区海上保安本部が保管していた一九四九年発行の海図で、現存する二本のほか、鮫駅南側に三本のマイルポスト(同C、D、E)の表記を確認。
 A、BとC―Eを結ぶ線は並行で、距離も直線で一マイル(一カイリ、一八五二メートル)に近い一九三八・六メートル。海図には「船舶速力試験距離」との記載があり、マイルポストとして使われていたことが裏付けられた。設置された時期は不明だが、戦前ではとの見方もある。
 マイルポストは通常、四本セットだが、五本あったことについて第二管区海上保安本部の海の相談室は「船の大きさによって海から見にくい場合もあり、後から五本目を作った可能性がある」と推測している。
 種差海岸に立つマイルポストは根元が腐食しており、堀会長は「倒壊は時間の問題」と指摘。岩見会長は「八戸港や鮫町の歴史を知る上でも貴重な遺産。保存対策を考えるべきでは」と、産業遺産としての保存を訴えている。マイルポスト
 船の速度性能を測るために使われた標柱。基本的には、海岸線に1マイル(1カイリ)の間隔でポールを並行に2本ずつ立てる。船は海上で2本が重なって見える位置から時間を計り始め、残る2本が重なる地点までの所要時間で速力を割り出す。
【写真説明】
1949年発刊の海図から判明したマイルポストの位置(上)と種差海岸に立つポール(図中のA)。地元住民の調査で正体はマイルポストと判明した=八戸市鮫町(下)

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