黒いダイヤ℃守 安堵感と慎重論(2010/03/20)
八戸市内の店頭に並ぶマグロ類。提案否決にとりあえず安堵の声が上がる一方、ハマからは政府への注文も
 ワシントン条約締約国会議の第1委員会で、大西洋・地中海クロマグロの国際取引禁止提案が否決された。提案の可決によるマグロ類の価格高騰を懸念していた八戸市内の消費者や鮮魚店関係者の間には19日、「ひとまず、よかった」と安堵(あんど)の表情が広がった。一方で“ハマ”の専門業者からは「乱獲の現状を放置すれば(全面的に捕獲が禁止になった)クジラの二の舞いになる」と、今後の国際的なルールの厳格化を求める意見も聞かれた。
 
 今回の取引禁止提案のきっかけは、乱獲による個体数の減少だった。市内の漁業関係者によると、欧州沿岸国の巻き網船が稚魚を含めて制限量を超えるマグロを捕り、それを育てて「蓄養マグロ」として出荷。この8割を輸入し、安価で流通させている日本が各国からやり玉に挙げられ、問題化したという。
 提案の否決に、市内の回転ずし店を訪れていた七戸町の主婦(52)は「マグロは、すしの中で一番好き。禁輸になったら値段が上がって我慢しなければならなくなるので、安心した」と歓迎の表情。
 八食センター内のある店の担当者は「蓄養マグロは大きくて脂の質が良く、値段も手ごろなので、消費者の人気が高い」と解説した上で、「禁輸になればほかのマグロの相場まで上がることが予想されたので、まずはほっとしている」と笑顔を見せた。
 一方で、市内の専門業者は慎重な構えだ。北大西洋でマグロはえ縄漁をしている船主は「すべての船に決められた漁獲量を厳格に守らせないと、資源量の低下に歯止めはかからない」と表情は硬く、「今後の国際交渉こそが重要になる」との認識を示した。
 「規制が大西洋から全体に広がり、マグロがクジラの二の舞いになることを一番恐れていた」と明かすのは、市内のあるマグロ専門店の代表者。
 「蓄養マグロの輸入量を厳格に管理しなければ、国際的な理解は得られない。これからもマグロで商売を続けるため、しっかりとした政策を望む」と政府に注文を付けた。
【写真説明】
八戸市内の店頭に並ぶマグロ類。提案否決にとりあえず安堵の声が上がる一方、ハマからは政府への注文も

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