WEB特集三社大祭

震災乗り越えた復興山車%ー々の雄姿
(2011/08/02)
東日本大震災を乗り越えた八戸市職員互助会山車組の復興山車=B美しいお囃子の音色も響き渡った=1日午後5時ごろ、八戸市三日町
 東日本大震災を乗り越えた復興山車≠ェ堂々の雄姿を見せた。八戸三社大祭のお通りが行われた1日、大津波で被災した八戸市職員互助会山車組が合同運行に参加、震災からの復活を果たした。「ことしも山車を引けて感無量」。参加40周年を迎えた山車組関係者の胸に、万感の思いが込み上げた。沿道を埋め尽くす観客から励ましの拍手が湧き起こる中、伝統を重んじた福徳を呼ぶ山車でふるさとの復興をアピールした。
 
 同市河原木海岸にある互助会の山車小屋は、津波に襲われ壊滅状態となった。震災直後は祭りへの参加が危ぶまれたが、他の山車組関係者が小屋の片付けなどに協力。急ピッチで制作を進め、ようやく大舞台にこぎ着けた。
 お囃子(はやし)の笛を担当する八戸高校1年の菊池南帆さん(15)は「ことしも祭りに出られてうれしい。お囃子を頑張って盛り上げたい」。2人の友人と一緒に、出発の時を心待ちにしていた。
 出発順が22番目の同山車組は、午後4時半ごろに市庁前をスタート。中心街を練り歩くメンバーには、明るい表情が広がった。
 市庁郷土芸能保存会は、おなじみの虎舞を披露。子どもたちの「ヤーレ、ヤーレ」の掛け声や小気味よい手平がねの音も、一層のにぎわいを添えた。
 山車制作責任者の夏坂和良さん(52)が手掛けたことしの山車には、近年主流の仕掛けや、せり上がりはない。昭和30〜40年代に見られた古典型の山車を復刻させ、三社大祭の原点に立ち返った。
 福徳を呼ぶ頗梨采女(はりさいじょ)と疫病封じの神・牛頭天王(ごずてんのう)の夫婦神を題材とし、八戸の復興を祈願。台車部分には、1972年に初参加した時の伝統の裾幕を飾り付けた。
 山車の制作期間はわずか2カ月足らず。例年よりサイズは小さいが、沿道から「よく頑張った」「素晴らしい山車だ」との声が聞かれ、大型の山車に負けない魅力を放った。
 夏坂さんは「参加できて感無量。1台も欠けることなく全山車組で祭りに臨めたことが何よりもうれしい」と自慢の山車を感慨深げに見詰めた。
【写真説明】
東日本大震災を乗り越えた八戸市職員互助会山車組の復興山車=B美しいお囃子の音色も響き渡った=1日午後5時ごろ、八戸市三日町