天鐘
デーリー東北

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天鐘(7月26日)

 夏になると、子どものころによく食べた「こうせん」を思い出す。もっとも、懐かしい食べ物として記憶しているのは、今では中高年の世代に限られるのではないか。若い年代にとっては未知の食べ物だろう▼こうせんは原料の大麦を煎って粉にひいたもの。砂糖を加え、冷たい井戸水で練って食べる。好みで水に溶かして飲む人も。わんぱく小僧は粉のまま口に入れたりもするが、ふしぎなことに決まってむせたものだ▼「麦こがし」や「はったい」とも言う。江戸時代の浮世草子にも登場するから、庶民的な食品として古くから食されてきたのは間違いない。戦後、さまざまなお菓子が登場するにつれ、注目されなくなった▼五戸町の産直施設でこうせんを見つけ、買い求めた。製造している町内の製麺業者を以前取材したことがある。あらためて訪ねると、経営者の佐川愛子さん(74)は「主力製品ではないが、心待ちにしている人がいるから夏場だけ作っている」▼販売先は地元が中心だが、関東地方から個人的な注文が舞い込むこともある。「土産にいただいたらおいしくて」「ずっと製造元を探していた」。毎年楽しみに取り寄せる人もいるそうだ▼職場の若手に氷水で練って差し出すと、怪(け)訝(げん)そうな表情で「これは何ですか」。それでも、一口食べると面白いことを言う。「初めてなのに懐かしい味がする」。それがこうせんの魅力かもしれない。

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