青森県立高校再編 〜統廃合の行方〜

(2)反対運動 説明後回しに住民ら反発
(2004/09/28)
 「川内高校は定員を満たすことができるはず。少なくともあと二、三年様子を見てから判断してほしい」
 九月二十二日に青森県庁を訪れた菊池繁安川内町長は、三村申吾知事に統廃合計画案の見直しを迫り、陳情書と署名簿を提出した。
 計画案に対する反対運動は、対象となった数校で現在も続いている。背景には、県教委に説明を後回しにされた地域住民の不満がある。
 ▽遅すぎる説明会
 川内高校は一九七三年、住民の要望を受けて分校から全日制に昇格した経緯があり、全日制に寄せる思いが強い。再び分校に逆戻りする計画案に対して、住民が「なぜ計画案の発表前に説明がないのか」と疑問を感じるのは当然といえる。
 菊池町長は「地元の小学校の統廃合でも理解を得るには五年はかかるのに、何の説明もないまま計画を進められたら住民は納得できない」と、性急すぎる県教委の対応を批判する。
 同校は過去五年間、空き定員が十人を超えたことがない。PTA会長の野呂泰喜むつ市議は「大きな定員割れをしていないのになぜ」と計画案に違和感を覚えた。
 同じく分校化が示された大畑高校でも反対運動の兆しがある。二十二日に大畑町内で行われた説明会で、やはり、計画案の提示が遅かったことに住民の不満が集中した。
 笹森時美PTA会長は、説明会終了後、「県教委は、入学者が増えるのなら計画を考え直すと言っている。生徒数を増やせないか検討してみる」と述べ、学校を残したい思いを強調した。
 ▽不登校生の受け皿
 約二万八千人分もの署名を集めて県内最大級の反対運動を展開しているのが、全日制高校で唯一閉校の方針が示された五所川原東高校。
 「小規模校ができる特色づくりを」(関堯校長)と、同校は○二年度から積極的に不登校生徒を受け入れてきた。少人数制ならではの徹底した「人づくりの教育」で、多くの不登校生が今では毎日笑顔で登校する。
 ところが八月末の説明会で、住民側の「不登校生を今後どうするのか」の問いに、県教委側が「不登校生はどこの学校でも受け入れている」と発言。同校の独自性を否定するような言葉に、住民らは猛反発した。
 中学生時代まで実際に不登校生だった神飛鳥生徒会長は「ほかの学校では駄目なんです」と怒りを込めて訴えた。議論は約四時間にわたり、説明会は紛糾した。